正しい台本の読み方
NGな台本の読み方!最初から感情を入れて読むのはダメ!その理由とは?の記事で、NGな台本の読み方を指摘しました。
今回は、芝居作りにおいて、正しいとされている台本の読み方、またその理由をお話ししていきたいと思います。
もくじ
読み方の順序
読み方の順序です。
芝居に一貫性を持たせ、説得力のある芝居、魅力あるキャラクターを演じる為には、欠かせない読み方になります。
1,どのキャラクターにも感情移入をせず、客観的に物語を読む
はじめは、「このキャラクターがやりたい!」という気持ちがあったとしても、客観的に物語を読みます。
ここでは、
◆物語が表現したい事は何か(友情、ギャグ、恋愛etc)
◆物語の流れ
◆キャラクター同士の関係性
などを、整理して読みます。
1度だけでは、物語全体を把握できていない可能性が高いので、2度、3度と、繰り返し読むようにしましょう。
2,自分の演じるキャラクターの主観で読む
演じるキャラクター、演じたいキャラクターが決まっているようであれば、
そのキャラクターの主観で物語を見てみましょう。
ここでは、
◆キャラクターの性格
◆そのキャラクターに関する人間関係
を、掴めるように意識しながら読みましょう。
ここでは無理に感情を掴もうとしなくて良いです。
そのキャラクターを知る事に重点を置いてください。
これも、繰り返し読むようにしてください。
3,自分の演じるキャラクターに感情移入して読む
演じるキャラクターの性格を掴めた所で、実際に感情移入して読んでみましょう。
なるべく黙読が望ましいです。
声に出して読んでも構いませんが、
色んな読み方をしてみる、セリフの言い方の練習をしすぎないようにするなどし、固定された演技にならないよう気を付けましょう。
感情移入して、ワクワクするようであれば、物語の世界に没頭できている証拠です。
4,実際に皆で読み合わせをしてみる
読み合わせもはじめは、感情を入れずに読みましょう。
感情を入れなくとも、人それぞれ読み方の癖があるので、そのメンバーでやる芝居の雰囲気は掴めるはずです。
何度か、感情を入れずに読んだ後、感情を入れて読んでもいいでしょう。
キャラクター同士の関係性の解釈が人それぞれ違う可能性があるので、ちぐはぐな芝居になる事が多いですが、
はじめからまとまった芝居ができないのは当然なので、物は試しでやってみるのも楽しいと思います。
5,関係性が近いキャラクターの役者と意識の擦り合わせをしていく
関係性の近いキャラクターは、役者同士が同じ意識を持っていないと、バラバラな芝居になってしまいます。
なので、きちんと意識の擦り合わせをしましょう。
特に、相棒や、幼馴染、恋人同士のキャラクターなどは台本に書かれていない部分まで練る必要があります。
また、「幼馴染の母親、父親、同級生」のような過去を知っているキャラクターもいるのであれば、その人たちにも、キャラクターの関係性を伝えましょう。
一人のキャラクターに対する「過去の事実」が異ならないように意識して下さい。
この辺りは役作りの話として、また別に記事を書きたいと思います。
6,改めて皆で読み合わせをする
1~5まで済んだら、後はみんなで芝居を作り上げましょう。
ここではじめて本気の感情で読み合わせを行いましょう。
芝居は一人で作るものではありません。
相手の言葉や行動を受け取る事で、はじめてキャラクターの「セリフ」が生きてくるのです。
一人でひたすら練習しても、それは外面芝居にしかなりません。
しかし、
そのキャラクターや物語をあなたが理解していなければ、きちんと生きたキャラクターにはなれません。
きちんと、そのキャラクターとして舞台に立てるように正しい台本の読み方を実践するようにしましょう。