綺麗な発声、聞き取りやすい声になるために欠かせないのが「一音を大切にすること」です。
一音ずつはっきりと発音することで、相手に言葉が伝わりやすくなり、同時に滑舌もよくなります。
今回は、一瞬で聞き取りやすい発声になる、「母音発声法」をご紹介したいと思います。
母音発声法の効果
母音発声法は、即効性のある練習方法です。
普段の練習に取り入れることで、聞き取りやすい発声を楽にできるようになります。
効果としては、
- 一音が明瞭で、聞き取りやすい声になる
- 舌がまわりづらい文章でも言いやすくなる
- 腹式呼吸が意識しやすくなる
- 喉の開きが意識しやすくなる
といった点があげられます。
母音発声法のやり方
では、実際にやり方を見ていきましょう。
文章を全て母音に変換する
まず、母音発声法とは、「文章をすべて母音で発声する」ことを言います。
例えば、外郎売りの最初の一文です。
こちらの文章を母音発声法にすると
になります。
その一音の、「母音を抜き出す」形にします。
一音ずつはっきりと発音する
文章を母音に変換したら、実際に発音していきます。
慣れるまでは難しいかも知れませんが、焦らず一音ずつはっきり発音しましょう。
難しいのは
- 「ア」、「オ」が続く部分を一つずつ発音すること
- 促音(そくおん)後に喉が締まらないようにすること
※促音とは「っ」の部分
です。
母音発声法を効果的に行うには、
きちんと一音ずつ、お腹からはっきりと声を出すことが大切です。
一音ずつ音が切れている証拠として、お腹が動いているか?を意識するようにしましょう。
お腹の使い方は誰でも簡単に丹田を意識できる方法を参考にしていただければと思います。
慣れてきたら、実際に文章を読むスピードと同じはやさで、母音で読めるようにしましょう。
母音発声法のポイント
母音発声法のポイントとしては、
母音の書き出し時は、「しゃべり言葉と同じ訳し方をする」ことです。
- 長音(伸ばす音)なら伸ばす
- 促音は、促音のまま発音する。
- 撥音(「ん」)だけは「ん」のままにする
ようにしましょう。
例えば、
「申す(もうす)」は、
文字で訳すと「オオウ」ですが、喋るときは「もーす」に近い音になります。
なので、訳し方としては「オーウ」になります。
「水族館(すいぞくかん)」は、
文字で訳すと「ウイオウアン」ですが、喋るときは「すいぞっかん」に近い音です。
なので、訳し方としては「ウイオッアン」になります。
母音発声法は、劇団四季でも使われている練習方法です。
実際試してもらうとわかると思いますが、
一度母音で発声した後に同じ文章を読むと、読みやすく、一音ずつがはっきりと聞こえます。
慣れてくると、特に母音に訳さずともスラスラと母音で発声ができるようになりますので
普段の練習から積極的に取り入れていきましょう!
練習題材として、50音と、外郎売りを置いておきますのでよければ使ってください。
綺麗な50音で練習の成果を実感しよう!