発声や滑舌の練習の前に、声優になるために欠かせない「腹式呼吸」をマスターしていきましょう!
まずは、「腹式呼吸」と「胸式呼吸」の違いを知ることで、
正しく腹式呼吸をできている状態かどうかがわかるようになります。
もくじ
腹式呼吸の効果
喋りの仕事をするためには欠かせない腹式呼吸。
腹式呼吸をマスターすることで、以下の効果が期待できます。
- 胸式呼吸より、たくさん空気を吸える
- 声が通るようになる
- 大きな声が出せるようになる
- リラックスした状態で話ができる
- 喉に力が入りづらく、喉を開いた状態で話せるようになる
腹式呼吸をすると、吐く息の空気圧があがるため声が通るようになり、無理せず大きい声が出せるようになります。
音の密度が上がる、というイメージです。
また、「小さい声で話すなら腹式呼吸である必要はないの?」と思う人もいるかも知れませんが、
小さくても「通る声」と「通らない声」があります。
これも、「空気圧」が関係しています。
この空気圧に関しては、頭で理解するよりも、実際に腹式呼吸をマスターしていく段階で分かってくるので、今はあまり深く考えなくて大丈夫です。
とりあえず、どんな話し方をするにせよ、「腹式呼吸をマスターしておくべき」ということになります。
声優を目指す上で腹式呼吸をマスターすることは、最重要項目と言っても過言ではないので、普段から意識して行うようにしましょう。
余談ですが、男性はまれにトレーニングを受けていないのに、普段から腹式呼吸で喋っている人がいます。
周りから「良い声」と言われる男性は、もしかしたら無意識に腹式呼吸を使っているかも知れませんね。
腹式呼吸と胸式呼吸の違い
まず、胸式呼吸と、腹式呼吸のメカニズムの違いを見ていきましょう。
胸式呼吸と腹式呼吸の違いを知ることで、自分が「どちらの呼吸法を使っているか」確認しやすくなります。
胸式呼吸のメカニズム
ラジオ体操で大きく息を吸う時と同じ状態で、胸が膨らむ感じがします。
- 空気を吸ったときに、胸郭によって肺が横と上に広がるイメージ。広がる幅が狭いので、一度に吸える息の量は少ない。
※胸郭は、肋骨と胸骨の総称。広がる幅は狭い
- 胸、肩、首に力がはいってしまい、同時に「喉が締まる」
喉が締まってしまうと、声帯を傷めてしまいます。
声帯は一度痛めてしまうと、戻らないとも言われています。
胸式呼吸で無理な叫びの演技をすると、喉が締まり、声帯を痛める原因となります。
また、胸式呼吸では上半身のいろんなところに余分な力が入ってしまうため、息の通りが悪くなり、キレイな通る声も出なくなります。
声優として活動していくためにも、はやい段階で胸式呼吸から腹式呼吸へ変えていく必要があります。
腹式呼吸のメカニズム
腹式呼吸を一番感じられるのは、仰向けに寝転がり、リラックスして呼吸をしている時です。
上半身に余計な力が入らず、呼吸をするとお腹が膨らむ感じがします。
- 肺の下にある横隔膜(おうかくまく)を下げる事で、肺が下に伸びて広がる。肺にたくさんの空気を入れる事ができる
※横隔膜は、肺と、胃腸などの内臓を隔てている膜です。肺とくっついているので、横隔膜を下げると一緒に肺も下に伸びます
- 空気の出し入れが下の方を起点として行われるので、胸、肩、首に力が入らず、リラックスした状態で呼吸ができる=喉に力が入りづらい
肺が横隔膜と一緒に下がることで、空気をたくさん吸えるようになり、一度の呼吸で長く息を持たせることができます。
また、お腹の方を中心に空気の出し入れが行われるため、上半身に力が入りづらくリラックスした呼吸ができるようになります。
その結果、
喉に力が入りづらくなり、声が通るようになり、大きな声も難なく出せるようになります。
腹式呼吸では、
息を吸うと、「お腹に空気が入って膨らむ」
息を吐くと、「お腹がへこむ」
と表現されることが多いですが、正確には、横隔膜に押された内臓がお腹のところでぽっこり出ている状態です。
まずは胸式呼吸と腹式呼吸の違いを感じてみる
腹式呼吸と胸式呼吸の違いが分かったところで、一度両方を試してみましょう。
「胸式呼吸ってなんだっけ?」
「腹式呼吸ってなんだっけ?」
と、難しく考えず、とりあえずやってみましょう。
胸式で呼吸をする方法
- 息を吐き出す
- ラジオ体操のように腕を横に広げる
- 大きく息を吸う
胸が前に張り出す感じがするようであれば、胸式呼吸になっています。
この時感じて欲しいのが、「息を吸う量が少ない」ことです。
多分、2秒も息を吸うことはできないはずです。
息が少ないと、喋っている途中で息が続かなくなり、無理に話そうとすることで上半身に力が入り、喉が締まります。
気になる人は試して見てくださいね。
腹式で呼吸をする方法
- 床に仰向けになる
- 全身の力を抜く
- リラックスした状態で呼吸をする
胸に手を当てて、胸が動いていないか確認してみましょう。
胸が動いていないようであれば、腹式呼吸の基礎はできています。
そのリラックスした感覚を忘れないようにしてください。
※もし動いていたとしても安心してください。
様々なトレーニング法で、腹式呼吸をマスターする方法を掲載しています。
正しい腹式呼吸は、声優への第一歩です!
地味な練習ではありますが、基礎の基礎ですので、しっかりとマスターし、良い声の声優を目指しましょう!