腹式呼吸の練習をしていく中で、「丹田」の意識が大切だ、というお話しをしました。
そこが「丹田」です。
いわゆる下腹部分です。
腹式呼吸を行う際は、丹田を意識しながら行っていきます。
息を吐く時は、この丹田から息が押し出されていくイメージ。
息を吸うときは、丹田が、膨らむイメージで行います。
寝た状態での腹式呼吸
↑これです。
ですが、丹田の意識は意外と難しいので、「丹田がわからない…」と感じている方もいると思います。
私も昔、丹田が意識できず苦労しました。
ということで今回は、「誰でも簡単に丹田を意識できる方法」をお伝えします。
壁に手をついて行う
壁に手をついて腹式呼吸を行うことで、物理的に丹田を意識しやすくします。
- 壁の前で、アキレスけんを伸ばす時と同じポーズをします。
- 両手で壁を押します。
- 腹式呼吸を行います。
上半身の力を抜いた状態で、壁を押すのがポイントです。
手のつく位置を胸の高さと同じ、または少し下ぐらいにすると、上半身の力を抜いた状態で、壁を押せると思います。
壁を押すことで、下腹に力が入り、丹田がキュッと締まる感じがすると思います。
この感覚を覚えましょう。
リラックスした腹式呼吸ができるようになったら、立った状態で腹式呼吸を行い、「丹田の感覚がわからなくなった」と感じた時は壁を押すようにしてみましょう。
繰り返し行うことで、丹田の使い方が身についてきます。
息を吐く時のイメージを変える
壁に手をついて行う方法は、物理的に丹田を意識する方法でした。
今度は、丹田を使う際のイメージを変えることで、丹田を意識しやすくしていきます。
- リラックスした状態で立つ
- 息を吐く時に、お尻の穴が、上に引っ張られて、内臓が締まわれていく意識をする。
- 息を自然に吐く
2番がポイントになります。
上に引っ張られていくのを意識することで、
自然に腰が正しい位置に入りやすくなり、結果として丹田が意識しやすくなります。
上手く意識できれば、息を吐いた時に丹田の辺りがかなり締まっている感覚が掴めるはずです。
この方法は、座りながらでも丹田を意識しやすいので、
授業中や仕事中にも丹田の意識を鍛えることができてオススメです。
腹式呼吸をするのに腹筋を鍛える必要はあるの?
腹式呼吸をするために、「腹筋をしろ」という先生も中にはいるかも知れませんが、ある程度の腹筋を持っているようでしたら、
「腹式呼吸のために腹筋をする必要はありません」
例外的に、今回紹介した「丹田を意識する方法」を試しても、丹田を感じられないという人は腹筋を鍛える必要があります。
この方法で丹田を感じられないのは、やり方が間違っている、もしくは、「腹筋が弱すぎて意識ができない」状態の可能性が高いからです。
今回の方法で丹田を意識できるのであれば、「腹式呼吸のためだけに腹筋をする必要はありません」
何故なら、腹式呼吸自体が腹筋を使うので、きちんと腹式呼吸を行えていれば勝手に腹筋が鍛えられていくからです。
いわゆるインナーマッスルと言われる体幹が鍛えられます。
そのため、腹式呼吸はダイエットに効果があると言われているのです。
もちろん、役者は身体が資本ですし、舞台上で身軽な動きをするために腹筋は必要なので、腹筋を鍛えて損はないです。
ただ、「腹式呼吸ができないから腹筋を鍛える」というのはちょっと違うかな、という感じです。
丹田を意識する方法がわかれば、すんなり腹式呼吸のイメージを掴める人が多いです。
丹田をきちんと意識して腹式呼吸行うことで、必要な腹筋も鍛え、良い声が出せるようにしていきましょう!