はじめは、かなりの意気込みで入った声優養成所でも、時が経つにつれ「学校」と同じ感覚になってしまう方が多くいます。
- 今日はやる気が出ないから休んじゃおう
- 今日の課題は苦手だし、練習もちゃんとできていないから休んじゃおう
- 今日の授業内容はよくわかんなかったけど他はできてるからいいや
というような「学校」と同じ感覚で声優養成所に通っていては、声優にはなれません。
今回は、養成所での心構えについてお話ししたいと思います。
もくじ
声優は声優養成所に通っていればなれるほど甘くはない!
まず、養成所は学校ではありません。
声優養成所にお金を払って通っていたら自動的に講師の方が声優になる方法を教えてくれる、という訳ではないのです。
講師が教えてくれるのは、あくまで
- 演技とはどういうものなのか
- 正しい発声の基本とはどういうものなのか
ということだけなのです。
この二つを教わった上で、
- 「自分ならこうする!」
- 「この人のこのポイント上手いな!やってみよう!」
- 「こんな演技の仕方だったら、受け手はどう感じるかな?」
- 「自分は○○が苦手だから、それを克服する為に△△をしてみよう」
と自発的に考えて行動し、自分の中で確固たるものを作りあげていかなくては声優にはなれません。
ただ声優養成所に毎週通っているだけでは、1年通ったところで入所時と何一つ変わらないのです。
養成所とは1年間のオーディションだと思うべき!
また声優養成所は
1年間を通してアピールできるオーディション
だと思いながら通うべきです。
事実、いくつかの声優養成所では所属オーディション前に1次の試験が免除される「講師からの推薦枠」というものがあります。
この講師の推薦枠で推薦される人というのは
- 演技が上手い
- 出席態度が良い
- 人付き合いが上手い
- 言われたことを素直に受け取る
- 熱意や向上心がある
といったすべてを総合して「今すぐプロになっても通用しそう」という人だけです。
単位とテストの点数さえ取れば卒業できる「学校」のような気持ちでいてはダメなのです。
無遅刻無欠席は「アタリマエ」
まず、声優養成所に無遅刻無欠席で通うのは最低条件です。
出席態度というのは、今後仕事を任されて行く上でとても重要視される部分です。
- 台風や雪で、電車が遅れそうだと思うのなら1時間でも、2時間でも前に家を出るようにする。
- 電車が動かない可能性があると思うのなら前日から近くのカラオケに泊まっておく。
- 風邪をひかないように体調管理を徹底する。
- 喉を痛めることのないよう常に乾燥に気を付ける。
などできる限りの対策をすることが大切です。
プロの世界では
「具合が悪いんで休みます」
「電車が遅延してました(遅延証明書)」
なんてものは通用しません。
出席態度はそのまま「信頼度」です。
講師のみならず、声優養成所にかかわる「審査員」も講師からの報告で出席態度を知っていると思って良いです。
「所属オーディション当日だけ遅刻しなければいいや、欠席しなければいいや」なんて気持ちでいるのではなく、「レッスンのある日は毎回オーディションと同じなのだ」と気を引き締め1年間無遅刻無欠席を徹底しましょう!
演技に対する瞬発力
講師の方に「やってみて」と言われた時に、
- 「できません…。」
- 「家で練習してきます。」
と答える方がいますが、これはやめましょう。
オーディションで「次」はないですよね。
それと同じです。
言われたことをその場でやる「演技に対する瞬発力」がないと講師から
「プロになろうっていう意識が低いな」
と思われて目をかけてもらえなくなる可能性もあります。
実際の現場でも監督から
「やっぱりここは、こういう演技にしてほしい」
「この役も入って」
と言われることが多くあります。
ここで「家で練習してきます」なんてわけにはいかないですよね。
また、声優養成所は1対1で授業しているわけではないので、練習してきたところで「次」があるかはわかりません。
できるできないではなく、今やるしかないのです。
言われたことをその場でやるというのは、声優にとってとても大切なことです。
普段から色んな経験を積んで演技の引き出しを増やし、その場で演じられるようにしていきましょう。
物怖じをしない
瞬発力のある演技をするためには物怖じしないことも大切です。
声優養成所はオーディションと同じだとお話ししましたが、オーディションに合格する人というのは何も「上手い人」だけではないのです。
今後の伸びしろも含め、事務所に合格する人もいます。
自分の伸びしろがあることをアピールするためには、物怖じせず何事もトライ&エラーで新しいものを吸収しようとすることが大切なのです。
声優養成所では上手い演技だけではなく、堂々とやり切って失敗することも評価されます。
声優養成所とは、30分程度のオーディションでは中々見せることができない「挑戦力」「吸収力」を1年間通してアピールできる場なのです。
声優養成所の心構えまとめ
毎日、毎週、毎月がオーディションなのだと気を引き締め、どうやったら魅力的な人材になれるかを日々研究しアピールしていきましょう!
この1年間をどういった気持ちで過ごすかで、来年度にプロの声優としてスタートできるかが決まります。
1年間稽古場にいるだけでは、ただの「声優に憧れる人」で終わってしまいます。
完璧にできている、という人も、中だるみしていたな、という人も、次の稽古から更に気を引き締め、レッスンに臨むようにしましょう!