役者として

役作りの基本。キャラクターを演じるという事。

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演じるという事

キャラクターを演じるという事は、「そのキャラクターの人生を歩む」という事です。

役者はそのキャラクターの心情を誰よりも理解し、それを表現していくという事に他なりません。

役者は、ヒーローにもなれるし、悪役にもなれる。
それが役者の良い所です。

そして、人を感動させ、楽しませる芝居をする為に必要なのは、「キャラクターのリアリティ」です。
実際に存在するか、という意味ではありません。

そのキャラクターに一貫性があるか、という部分です。
そしてそれを作るのは原作者と、私たち、役者なのです。



役作りの流れ

最初に注意しておいて欲しいのが、
役作りの仕方に正解はない。という事です。

演出家が全てだという役者や評論家もいれば、
役者は自分の演じる役だけをひたすら見ろという人、
役者は自分の役以外も深く知り、物語全体を見なくてはいけない
という人もいます。

確実に言える事といえば、きちんと役と向き合いなさい、という事だけです。

台本を客観的に読み込む

あなたが演じる事になったキャラクターの台本上の性格を把握する為、まずは客観的に台本を読み込みます。

大まかな流れとしては
ストーリーの流れを把握
物語の伝えたい事、目指す事を把握
台本上での個々のキャラクターの立ち位置を把握

という風に、何度も繰り返し台本を読んでいきます。

制作上、決定付けられている事を把握する

その後、
制作上、はじめから決定付けられている事を把握しておきます。
これは、役作りの最初の段階においてとても重要なポイントです。
此処を無視してしまうと演者にとって都合の良いキャラクターになってしまい、
ファンや、見てくれている人の想像とかけ離れたキャラクターになってしまうので注意しましょう。

キャラブック等があるならキャラブックを参考に、
年齢、血液型、好きな食べ物、嫌いな食べ物、好きな言葉などその役に関係のある部分は全てメモしておきます。

また、明言されている役の性格なども把握しておきましょう。
注意して欲しいのが、そのキャラクターの本当の性格と、周りに見えている性格が必ずも一致しているわけではないという点です。

冷静沈着だと周りが思っているキャラクターでも、心はとても熱いキャラクターかも知れません。
その辺りの役の把握が上手くいっていないと、次の役を掘り下げる段階で混乱してしまう可能性があります。

何度も台本や関連本を読み、キャラクターの齟齬が生まれないようにしましょう。

役を掘り下げる

次に役を掘り下げていきます。

台本上で、
「何で今そういう発言をしたのか?行動をしたのか?」
「この場面では何を思っていたのか?」

というのを、キャラクターの性格や立ち位置から考えて掘り下げていきます。

掘り下げる時のポイントとして、
周りのキャラクターについての性格なども知っておくことです。
そうする事で、
他のキャラクターの発言から、自分のキャラクターの行動原理が知れる事が多くあります。

また、この時に
そのキャラクターの、物語が始まる前までの話、出番がない時の話など
台本に書かれていない部分を深く掘り下げる「サブテキスト」を作成するとより効果的です。

役を探す

自分の体験や経験と照らし合わせ、キャラクターの気持ちを体感しましょう。
この役探しや、役を掘り下げる為に、役者は色んな事を経験、体験しろと言われているのです。

キャラクターと同じ体験をした事がなくとも、似た感情を抱く体験をしている事があるのではないでしょうか?
「この時の心情は、あの時の気持ちを大きくした感じではないか?」
という風に
自分の体験と照らし合わせて、自分の中でのキャラクターの共感できる部分、共感できない部分を探していきましょう。

何度も台本を読む

やはり、台本ありきの芝居です。
自分の中で役作りができたら、何度も台本を読み返し、

解釈が不十分なところはないか?
自分の作った役で、納得できない言動はないか?

などを確認しましょう。

自分の素読み(感情を入れない棒読み)をテープに録音し、流れを耳で確認するのも良いでしょう。

また、キャラクター同士の関係性などで、気づきや発見があった場合は、共演者や演出家と共有するようにしましょう。
芝居は一人ではできません。

皆で作り上げる意識を常に持つと、上手くいきます。

役者として大切な事

役者が演じる上で最も大切なのは
そのキャラクターとして舞台上にいることです。

きちんと、キャラクターと向き合い、理解を深める事ができれば、
台詞が「単なる台本に書かれている台詞」から「言葉」に変化していきます。

言葉とは、自然に出てくる反応という意味です。

つまり、そのキャラクターとして、舞台に立てている状態になる、という事です。

まとめ

役作りは、舞台も勿論ですが、アニメでも何でも、役者なら必ず必要になってきます。

むしろ、この役作りの部分が役者の醍醐味といっても過言ではありません。

役作りとは、キャラクターと共に自分自身を掘り下げる事です。
正解はありません。

自分に合ったやり方、正しいと思うやり方で
魅力的な役者として、舞台なりマイク前なりに立てるよう、役作りを充分に行うようにしましょう。

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