サブテキスト
役作りにおいて、役者の経験や想像力などが最も試されるのが「サブテキスト」です。
このサブテキストでいかに辻褄が合う物語を創造できるかが、キャラクターにのめり込むための鍵となります。
サブテキストとはどういった物か?
何に重点を置いて作成すれば良いのか?
など、今回は役作りの基本となる、サブテキスト作成について、お話ししたいと思います。
サブテキストとは
サブテキストとは、台本に書いてある事以外のキャラクターの過去や、登場していない場面の言動などを役者が想像し、書き上げるテキストの事です。
有名な俳優の方も行っている手法です。
これを作成する事で、役者自身がキャラクターを自分に入れる事ができ、薄っぺらい芝居から深みのある芝居に変化します。
また、このサブテキストをきちんと作成する事で、行き当たりばったりの芝居でなく、
キャラクターが生きた状態になる為、「キャラクターでのエチュード」も可能になります。
サブテキストを作成する際の注意点
サブテキストを作成する際に注意して欲しい事は、
アニメのように原作があり、完結していないものは原作視聴者と同じ目線の演技を行った方が良い、という事です。
こういった作品に関しては、作者が既にキャラクターを作り上げているので、無理やりなこじつけをするより、
台詞から役を読み取る事に重点を置いて、役作りをしましょう。
サブテキストが効果的な作品
◆舞台作品のように、台本一つで物語が完結するもの
◆アニメ作品でも、完結済かつ自分の中で役を落とし込めていないもの
該当作品の場合、サブテキストを作成する事でキャラクターの理解が深まるので、とても効果的です。
キャラクターを創造する
まず、現在のキャラクターを創造します。
いわゆる身上調査票を作成する気持ちで作り上げます。
ジョジョの奇妙な冒険の作者、荒木飛呂彦先生が行っている手法です。
この作業と荒木先生の人生観あってこそのジョジョシリーズというわけです。
身上調査票の項目は自身で必要がある、と思うものを随時追加すると良いでしょう。
項目数は50個でも100個でも好きなだけ追加して下さい。
◆名前
◆性別
◆血液型
◆特技
などの基本的な事から
◆将来の夢
◆尊敬する人物
◆恋人の有無
◆好きな言葉、嫌いな言葉
などのキャラクターの一貫性を作り上げる為の項目。
また、大事なのは「キャラクターの過去」です。
◆子供の時の性格
◆性格の転機
◆子供の時のトラウマ
など、0歳からそのキャラクターの年齢までの物語を創造していきます。
身上調査票を作成する際の注意点としては、「台本から読み取れる部分に関してはそこに従事する」事です。
「こんなキャラクターだったら可愛いな~かっこいいな~」という「理想」だけでキャラクターを創造するのはNGです。
「このキャラクターならきっとこうだ」という確信を持った上で身上調査票を作成するようにして下さい。
サブテキストの作成
身上調査票が完成したら、サブテキストを作成します。
身上調査票をきちんと書き上げていれば、自ずとサブテキストは作成できるはずです。
慣れている人は、身上調査票がなくても作り上げられますが、はじめのうちは身上調査票でキャラクターを固めておいた方が、一貫性のあるキャラクターとなるでしょう。
サブテキストは「台本に書いてある事以外のキャラクターの過去や、登場していない場面の言動などを役者が想像し、書き上げるテキストの事」です。
戦隊ものの、同じ戦闘員でも皆過去は違います。
家族を亡くして復讐の気持ちから戦闘員になったA。
ひょんな事から才能を見出され戦闘員になったB。
Aなら、どんな状況下で家族を亡くしたのか?その後、どういう足取りで戦闘員になる事になったのか?
Bなら、才能が見出されるまでは、戦闘員にどんな感情を抱いていたのか?
など、それぞれのキャラクターを創造する事が、サブテキストを作る、という事なのです。
まとめ
役者を目指す方は「役作りをしなきゃ!」という意識はもちろんあると思います。
ですが、
どこまですれば良いのか?
何をすれば良いのか?
というのを知らない方も多くいます。
もちろん、役作りに正解はありませんが、
どういった手法が自分に合うのかを探る為にも、様々な役作り法を試し、自分に合ったやり方で魅力的なキャラクターを作り上げていきましょう。