NGな台本の読み方
台本に読み方なんてあるの?と思う方もいるかも知れませんが、あります。
最初に台本の読み方を誤解していると、融通の利かないキャラクターが出来上がり、芝居に悪い影響が出てしまいます。
そうなる前に、正しい台本の読み方を身に着け、良い芝居を作り上げましょう。
NGな台本の読み方
まず、NGな台本の読み方を紹介していきます。
私が知っている限り、今から紹介する台本の読み方をしている人は多くいます。
NGな台本の読み方をすると、芝居に一貫性がなくなり、その場凌ぎの演技になってしまいます。
まずは、NGな台本の読み方を把握し、そうならないように気を付けましょう。
最初から感情を入れて読んでいる
台本を渡され、その場で最初から感情を入れて読むのはNGです。
何故なら、役の性格、物語の流れも掴めていない状態で、読むのは完璧にその場凌ぎの演技だからです。
悪役を、慈悲の心を全く持たない役として演じていたら、慈悲深いエピソードがあった。
忠誠心を持った役を演じていたら裏切り者だった。
など、どこかで想像しなかったエピソードがあるかもしれません。
それを知らずに演じると、どこかで辻褄が合わなくなり、自分だけでなく、他の人の混乱まで招きます。
なので、最初から感情を入れて読むのはNGな読み方です。
セリフを間違えずに話す事に全てをかけている
もちろん、セリフを完璧に覚えるのは大事な事です。
覚えなくて良い、という意味ではありません。
ただし、セリフを間違えずに言う事に全力をかけて、芝居に集中できていないようならそれは違います。
他の人のセリフの最中に「次の自分のセリフは、○○さんの後に、×××~ってセリフだ!」と考えているようであれば役者として失格です。
それは、他の人のセリフの最中に、「役でいる事を放棄している」という事なのですから。
最初のうちはちょっと間違えても、物語の流れが合っているのなら問題ありません。
本番ではないのですから、間違った部分は、次から間違えなければいいのです。
それより、
芝居では、台本よりも、役としてその場にいる事を優先すべきです。
セリフをどう感情を入れて読むか、一人で考えている
芝居は、相手あってのものです。
モノローグとかでない限り、一人で感情を決めつけるのはよくありません。
例えば、2人がひたすら怒っている場面があったとします。
あなたは、2人がひたすら怒鳴って相手を負かそうとする芝居をするものだと思って演技を作ります。
しかし、いざ2人で演じてみたら相手は途中で声を抑えた怒りを表現するかも知れません。
セリフに間を取って空気で演じるかも知れません。
芝居は生き物なのです。
一人では演じられません。
セリフをどう感情を入れて読むかを決めきってしまうと、相手の言葉を受け取れず、ちぐはぐな心のこもっていない芝居になってしまいます。
感情の決めつけはしないようにしましょう。
3つ、NGな台本の読み方の例を挙げてみました。
当てはまっているものはなかったでしょうか?
NGな台本の読み方は、どちらかというと「やる気があって、頑張っている人」に多い読み方です。
頑張ってない人の読み方が良いというわけではありませんよ、そういう人は論外です。
頑張った結果、空回りしてしまっている事が多くあります。
折角のやる気は、正しい台本の読み方を身に着け、そちらに注ぐようにしましょう。
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