初見の原稿とは、その場で渡された初めて目にする原稿のことです。
初見の原稿に強い(スラスラ読める)かどうかは、声優になるためにも声優として仕事をしていくためにも欠かせないスキルになります。
養成所でその日に渡された課題を読んで見て、と振られることも多いですし、
オーディションでも、基本的には初見の台本で審査することになります。
事務所所属のための関連オーディションや進級審査では、初見で早口言葉が出るところもありますし、
声優として仕事を貰うようになった後も、初見の原稿への対応力が求められます。
声優になりたいのであれば、日ごろから初見の文章に慣れ、オーディションや審査の時に100%の力を発揮できるようにする必要があります。
ということで今回は、初見に強くなる方法をお伝えしていきます!
初見に強くなるには
初見に強くなるために一番大切なのは、日々の積み重ねです。
オーディション前の付け焼刃的な練習で初見に強くなることはほぼ不可能です。
特に、すでに初見の原稿を前にすると「緊張する」「苦手だなと感じる」という人は、
はやい段階から初見への対応力を身に着け、進級審査やオーディション時にはきちんと実力をアピールできるように心がけましょう!
初見の原稿を見る時のポイント
初見の原稿を見る時のポイントは
- 慌てないこと
- ひとつ先の言葉を見ること
- 文章の区切りを確認すること
- 文章の意味を読み取ること
です。
まず、慌てずに原稿を見るようにしましょう。
初見の原稿でやりがちなミスは「スラスラ読まなくては」という気持ちが強すぎて、慌てて読んでしまい、口が回らなくなることです。
ただでさえ、緊張している時は早口になってしまいがちです。
その上、スラスラ読もうと意識してしまうと聞いている方からしても「早口だな」「緊張してあがってるな」と感じてしまいます。
緊張している時は、「ゆっくり読もう」と意識するぐらいで丁度良かったりします。
まずは初見の原稿を手にしたときに「スラスラ読もう」ではなく、「落ち着いて読もう」という気持ちを持つようにして、慌てず読むように意識しましょう。
次に一つ先の言葉を見ながら読むように心がけましょう。
読んでいる言葉に気を取られすぎて、次の言葉への意識が薄くなってしまうと、文章が詰まってしまいます。
声に出して読んでいる時は、声に出している文章だけを見るのではなく、ページ全体を見るようにし、「次は何という言葉、文章がくるのか?」を先読みしながら読んでいくようにしましょう。
また、文章の区切り、意味にも注目しておきましょう。
自然なブレスポイント(息継ぎ場所)を考えずに読んでいくと、変なところで息継ぎが必要となり、文章や感情のつなぎがおかしくなってしまいます。
1つ先の言葉を見ながら読み進めることで文章の区切り、意味や感情の区切りも先読みできるようになります。
これらのポイントを意識するだけで、初見への苦手意識は少なくなります。
はじめからすべてを意識することは難しいので、「まずは慌てずに読む」それができたら、次の初見の文章では、「一つ先の言葉を見るようにする」というように、少しずつ初見に慣れて行きましょう!
すぐにできる初見に強くなるための練習方法
最初にお話しした通り、初見に強くなるには、日々の積み重ねが大切になってきますので、日ごろから行える練習方法を紹介します。
目についたものを声に出して読む
まず目についたものを声に出して読むようにしましょう。
外出先では声に出さないとしても、頭の中で読むか、マスクをしているようならマスクの下で口を動かすようにしましょう。
目についたものは文章ではなく、単語でも何でも構いません。
意識して文字を見ることが大切です。
例えば、街中の看板、電車の広告、雑誌の表紙、求人広告まで、いくらでも街中に練習教材は転がっています。
まずは、長い文章ではなく「短い文章」で初見に慣れて行きましょう。
本を声に出して読む
時間に余裕のある時や、短い文章になれてきたら、本を使った練習をするのもおすすめです。
文庫本や、青空文庫の本を教材にすると良いかと思います。
本を一冊丸々読まずに1章だけでも効果はあらわれます。
本を使った練習法の場合、同時に朗読の練習にも繋がるという利点があります。
本のような長い文章を初見でスラスラ読めるようになれば、オーディションでも怖いものなしです!
初見に強くなることは、声優志望者にとってかなり大切なことです。
どんなに芝居や声が良くても初見に弱ければ、オーディションや進級審査で自分の力を発揮できません。
はやい段階で、初見に慣れるよう、普段から意識して練習を行うようにしましょう。
オーディションでは、緊張しやすく力を発揮できなくなりやすいので、
よければ当日緊張しないためには?の記事も今のうちに確認し、日ごろからリラックスの仕方を知っておいていただければと思います。