声優さんはマイクの前で台本を持ちながら演技をするはずなのに、暗記する必要なんてあるの?と思う人もいるかも知れませんが、
声優を目指す人が、外郎売りや、台詞を暗記するのは当然のことです。
なぜなら、どこの養成所も最初はマイク前での演技ではなく、舞台演技であることが多いからです。
その中で自由に表現するためには、台本の暗記が必要になります。
大手声優養成所では、「外郎売りを1週間で覚えてくる」というのが最初の課題だったりします。
台本の暗記を難しい、と感じる方もいるかも知れませんが、
覚え方さえ知ってしまえば、どんな台本でも簡単に暗記することができます。
その第一歩として、まずは外郎売りを覚えて行きましょう!
外郎売りの覚え方
まず、外郎売りの覚え方のコツは
- 文章を呼吸に合わせて短く切る
- 句点は無視する
- 徐々に繋げて読む
ことです。
例文として、最初の一文を見て行きましょう。
「/」が呼吸をする場所(ブレスポイント)です。
お江戸を発って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、/
欄干橋虎屋藤衛門、只今は剃髪致して円斉となのりまする。/
句点で止めるのは軽く息を吸うぐらいなら問題ありませんが、明確なブレスポイントにしない方が自然です。
外郎売りは句点がとても多いので、自分でブレスポイントを先に「/」で区切るようすると、自然な息継ぎができるようになります。
ブレスポイントを確認したら、実際暗記していきます。
覚え方は
「/」までを完璧に覚えたら、次を覚えるようにしていきます。
まで、何度も繰り返し口に出します。
完璧に暗唱できるまで、繰り返します。
完璧に覚えられたら
という次の一文を覚えます。
暗唱できるようになったら、繋げて読みます。
これを繰り返していきます。
次は、
こちらの文を完璧に覚えます。
最初は見てもOKですが、全く見ずに完璧に言えるようになったら、頭から繋げます。
お江戸を発って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、/
ひたすらこれの繰り返しを行い、確実に暗記していきます。
さすがに全部を繋げるのは長くなりすぎて後ろが覚えづらくなってしまうので、段落ごとに区切ることをオススメします。
この時も、先に覚えた文章を忘れないよう、
2段落目を覚えた後、3段落目の暗記に行く前に、1段落目~2段落目までを通して読むようにしましょう。
段落の区切りは、
◆1段落目…拙者親方~系図正しき薬でござる。
◆2段落目…イヤ最前より~矢も楯もたまらぬじゃ
◆3段落目…そりゃそりゃ~お茶ちゃっと立ちゃ
◆4段落目…来るわ来るわ~ひざもと去らず
◆5段落目…鮒、きんかん~いらっしゃりませぬか
外郎売りの本文【ふりがな付き】で、段落ごとに飛べるようにしているので、参考にして下さい。
完璧に暗記し、滑舌や表現の勉強に力を入れられるようにしましょう!
外郎売り関連の記事は、他にも用意しているので、よければ参考にしてください。