声優を目指している皆さんは、一度は自分の声を録音して聞いたことがあると思います。
中には、
「こんなに良い声なら声優を目指そう!」
「こんな変わった声しているなんてラッキー!」
と思った方もいるかも知れませんが、大半の人は
「え、思っている声と違うし、嫌だ」
「自分の声が気持ち悪い!」
と思ったのではないでしょうか?
今回は、自分が聞いても良いと思える声の見つけ方をお話ししたいと思います。
もくじ
なぜ、録音した声と自分に聞こえている声は違うのか
録音した声や周りに聞こえている声と、自分に聞こえている声が違うのは、「気導音」と「骨導音」の違いによるものです。
- 気導音…空気を伝って、鼓膜を振動させ聞こえる音
- 骨導音…声帯などの振動が頭蓋骨に伝わり直接聞こえる音
録音した声や、周りに聞こえている声は、気導音。
自分に聞こえている声は、気導音と骨導音が合わさった音です。
そのため、録音した声というのは普段聞いている声とは違って聞こえるのです。
周りはあなたの声を変な声とは思っていない
先に注意して欲しいのは、周りはあなたの声を変な声とは思っていないということです。
あなたは自分の声を聞いて、
「変な声!」
「自分の声は気持ち悪い!」
と悲観的な感情を持ったかも知れませんが、大概、周りはそんなことは思っていません。
よく考えて欲しいのですが、あなたの周りにそんなに変な声な人はいますか?
もし、「いる!」と思った方は、本当にその人の「声」が変なのかよく考えてみてください。
声ではなく、「喋り方が変」なのではないですか?
喋り方さえ直れば、普通の声だと思います。
基本的に、変な声な人なんていません。
声に特徴のある人はいますが、それは声優業界ではラッキーな話に他なりません。
変な声の人なんていません。
喋り方が変なら、直せばいいだけです。
むしろ直さないと声優になれないので、しっかりと周りに聴こえている自分の声と向き合いましょう!
自分の良い声を見つける方法
聞こえる声の違いが分かったところで、自分の良い声を見つける作業に入りましょう。
自分の声を録音する
まずは、自分の声を聴きましょう。
ボイスレコーダーや携帯を使って、自分の声を録音します。
発声練習や、原稿を読んでいる時の声を録音するのではなく、親兄弟や、友人と話している時に起動させて録音し、自分の普段の話し声を録音するようにしましょう。
ポイントは、「それなりのマイクや録音機器を使うこと」です。
マイクの性能が悪すぎて、普段周りに聴こえている声とはまた別の声が聞こえるようでは意味がありません。
最近のスマートフォンのマイク性能は良いものが多いので、基本的には、スマートフォンで録音すれば大丈夫だとは思いますが、念のため、友人に声を録音させてもらい、「自分が普段認識している友人の声と一緒か」というのを確認しましょう。
普段の自分の声を録音し終えたら、とりあえず30分でも1時間でも自分の声を聴きます。
嫌になるかも知れませんが、それがあなたの声なのです。
慣れるまで聴きましょう。
慣れたら、意外と普通の声だと思えるものです。
まずは、録音した声が周りに聴こえている自分の声なのだと、しっかりと頭に刻みましょう。
自分の声を分析する
自分の声に慣れたら、声を分析していきます。
最初にお伝えした通り、変な声はありません。
声が変なのではなく、喋り方が変なのです。
喋り方を直せるようしっかりと自分の声を分析していきましょう。
- 響きのある声をしているか?
- 滑舌は明瞭か?
- 自分の苦手な滑舌は何か?
- 聞き取りやすい声の高さで話せているか?
- 喉が苦しそうな声をしていないか?
など、「自分が良いと思える声」との差異を分析していきます。
- 響きがないなら、普段から響かす意識をして話すようにする。
- 滑舌が悪いのなら、もっと舌の筋肉を鍛えて、はっきり喋るようにする。
- 苦手な子音があるなら、集中的に練習する
- 聞き取りづらい声なら、何が原因で聞き取りづらいのかを探る。
- 喉が苦しそうなら、腹式呼吸の意識をもっとする。
そうやって、自分の声を少しずつ成長させていきます。
要は、育成ゲームみたいなものです。
生まれ持った声帯は変えられないのですから、それをいかに上手く育てるかが大事になってきます。
このページの最後にそれぞれ、練習方法についてまとめているので参考にしていただければと思います。
録音することの大切さ
録音はなるべく多くし、たくさん自分の声を聴いて調整するに越したことはありません。
できれば、普段の早口言葉の練習や、外郎売りの練習の時から、録音をする癖をつけるようにしましょう。
なぜなら、自分に聞こえている声というのは全くもってアテにならないからです。
例えば、
「みんなに支持される」
という文章があったとします。
短い文章ですが注意して読まないと、滑舌が不明慮になりがちな文章です。
ですが喋る側は、この文章を読んでいる!という認識があるので、不明慮な滑舌だったとしても脳と骨導音が勝手に補完し、「きちんと読めている」と勘違いしてしまうことがあるのです。
録音をして聞く場合は、この不明慮な部分が一気に明るみに出るので、録音した声を聴いたら、思ったより自分の滑舌が悪かった。なんてこともあります。
なので、「自分の声、喋り方ときちんと向き合う」という意味で、普段から録音しながら練習することをおすすめします。
まとめ
良い声になりたいと思うのなら、普段から意識して自分の生まれ持った声を良い声に変えていくしかありません。
プロの声優さんは、普段からきちんとした発声をされている方ばかりです。
何度も録音して聴いていると、周りに聞こえている声と、自分に聞こえている声の違いが気にならなくなり、自分の声に自信が持てるようになります。
自分の声をきちんと録音、分析し、自分の声を「良い声」と思えるまで育てあげましょう!
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それぞれ自分に足りない部分を強化し、本当に良いと思える声を作り上げましょう!