「自分アンテナ」、「他人アンテナ」で、
感情を伴った上で、色々な役柄を演じる楽しみを覚えたら、
演技のブラッシュアップを目的とした「技術アンテナ」を張ってみましょう。
もくじ
技術アンテナとは?
技術アンテナというのは、いわゆるテクニックです。
凄く簡単に言うと、「どうすれば上手く聞こえるか?」ということです。
1つ注意して欲しいのは、
この技術アンテナは、「感情を伴った演技」を理解し、実際に表現できるようになってからアンテナを張るようにしましょう。
そうでないと、初めから小手先だけの表面上の演技になってしまうからです。
小手先だけの演技は素人には上手く聞こえるかもしれませんが、
審査員のような「プロ」には通用しません。
また、演技を重要視しているお客さんにも届かないでしょう。
演技を見ても心を動かされないからです。
この状態でオーディションに受かったり、多くのお客さんの心を掴むのは、
とんでもなく声や容姿が良い場合だけです。
ですから、この技術アンテナは、
あくまで上手く魅せるための技術だと念頭に置いておきましょう。
感情を伴った演技をしているのに、どうもしっくりこない、一本調子になってしまう、という人は、
この技術アンテナを張ることで、魅せる演技がどういうものかを知ることができ、より魅力的な演技ができるようになるでしょう。
技術アンテナの張り方
※基本的なアンテナの張り方は演技アンテナ張れてますか?の記事を参考にしていただければと思います。
技術アンテナは、実際の声優、舞台俳優、ナレーターなど、
プロとして活躍している人を参考にします。
自分の演技と聞き比べ、技術を吸収する方法
一番、技術を吸収しやすいのは、アニメ化、ドラマCD化している作品で、まだ演技を聞いた事のない作品です。
やり方は、漫画とアニメを使った演技練習!楽しく演技が上達する!に詳しく載せているので、ここでは簡単に説明します。
一度、原作を読み込み、自分のやりたい役を録音します。
余裕があれば、全ての役を一人で演じてもいいでしょう。
その場合、感情の流れをきちんとはめ込む為に、別録りするようにしましょう。
その後、プロの演技を聞きます。
別に、プロの演技が「正解」というわけではありません。
ですが、自分の録音した演技に少しでも気に入らないところがあったのなら、プロの演技と聞き比べてみることです。
語尾の上げ下げ、叫び声の声量、間の取り方など、
参考になる部分はたくさんあると思います。
テクニックを知り、後から感情を入れる方法
また、この他にも、役者の表現から直接技術を吸収する方法もあります。
この場合、映像に引っ張られない
「ドラマCD」や「舞台」、「立ち絵のみのゲーム」の方が、技術の違いを感じやすいです。
怒りを表すシーンで、一拍置いてからの、冷静な声や、
喜びを示すシーンで、息を飲んでから、言葉を発するなど、
1つのテクニックとしてまず表面から吸収してしまいましょう。
自分アンテナ、他人アンテナを理解した人なら大丈夫かと思いますが、
表面から吸収した後に、ちゃんと感情をはめ込みましょう。
- 何故、怒りのシーンで一拍置くのか?
- 何故、喜びのシーンで息を飲むのか?
→心の中で、煮えたぎるような怒りが生まれてきている。
怒鳴り散らす事もできないぐらい、心の底から怒りが湧き出ているから。
→びっくりした気持ちを併せ持っていたから。
など理由を考え、
自分の中でその時の強い感情をトレースするようにしましょう。
表面から入ろうと、
感情をきちんと落とし込めば、それはちゃんと、感情を伴った演技になります。
声の表現を知ることにも使える
また、この技術アンテナは、感情表現だけでなく、声の使い方を知るのにも使えます。
例えば、
- 色っぽい女性は、ゆっくり話す
- 小さい子供は、鼻にかけて話す
- 男性は、下に響かせる
- きつい喋りは、前に響かせる
などです。
声優さんの演技を聞いていれば、どうやって、演じ分けているのか?
何故この人は、この役柄が凄く上手く聞こえるのか?
といった部分が見えてくるでしょう。
唯一無二のやり方を模索する
大切なのは、一つのやり方に固執しすぎないことです。
私たちは、「自分」という唯一無二の役者です。
モノマネ芸人ではないのですから、
誰かのやり方だけを正解とせず、色々と試して、自分の技術にすることが大切です。
最初は真似から入った演技であろうと、色々なものと掛け合わせ、自分の色を出せばそれはもうオリジナルなのです。
演技アンテナの「技術アンテナ」を張ることによって、
1つのやり方に捕らわれず、様々な方法を試すことでき、自分に合ったやり方を見つけることができます。
また、自分の声質や声の出し方に合う役柄を知れることもあります。
色んなことを試す癖がつけば、現場で監督の指示に即座に対応できるようにもなるといった利点も。
感情を伴った演技+魅せる技術で、独りよがりでない観客に伝わる演技ができるようになります。
技術アンテナが理解できたところで、最後に売れる声優になるために欠かせない声優アンテナを張っていきましょう。